(ば、爆弾っ…!)


身体が、その言葉の意味を理解した瞬間からガタガタと震え始める。


(私死ぬの?だって、だってここから出られないんだから助かるわけないよね!?どうしたらいいの!?)


自分の意思では止められない程に手の震えが激しくなり、ティアラを取り落としてしまう。


「紫苑ちゃ、」


檻の向こうから大也の声が聞こえるけれど、私は彼の温もりに触れられない。


こんなに近いのに、私の家族は目と鼻の先に居るのに、全ては忌まわしい電流の流れる檻のせいで。



此処に閉じ込められて何度目になるか分からない涙が、ただ静かに頬を濡らした。





その時だった。





「爆弾は、あの檻のテーブルの裏に貼り付けてありますよ?」





耳を疑う、なんて言葉では済まされない最悪な一言が湊パパの口から放たれたのは。







「……えっ、」


瞬間、航海以外の全員の目線がこちらに向けられた。


「…紫苑ちゃん、」


先程よりも強くはっきりと、大也が私の名を呼ぶのが聞こえる。


(っ………)


ゆっくりと目線を横に流すと、飛び込んできたのはティアラが置かれていた小さな丸机。


(あの机の裏に、爆弾が……!)