「何処まで馬鹿なんだこいつは…」
後ろからは愛する人の突っ込みが聞こえてきて、俺は激しく同意する。
「…だって、死体なんてなかったんですよ。部屋を隅々まで探したんですが、あったのはこれと、仁さんがつけていた無線機だけでした」
「はあ!?」
直後、真顔の航海が発する報告を聞いて、俺は大声を上げて口に手を当てた。
「何だそりゃ」
後ろから、琥珀の素っ頓狂な声が聞こえる。
「ど、どういう事?仁は確かに此処で…俺ちゃんと見たもん、仁の顔にジャケット被せたし、…」
困惑し過ぎて、考えていることに言葉が追い付かない。
え?、と頬に手を添えたまま固まった俺の頭に、誰かの手が乗っかった感覚がした。
「大丈夫、大也の言ってる事は正しいよ。…多分、怪盗フェニックスの誰かが仁の遺体を何処かに運んだんだと思う」
俺の鼓膜を揺らすのは、いつだったか、
『おお大也じゃん、今日は何聞きに来たの?…ん、素手で闘う方法?何それー』
怪盗界屈指の情報屋として、怪盗mirageのメンバーとして名を馳せた彼の優しく透き通る声。
「怪盗フェニックスは、臓器売買も平気で行う連中だから…。でも、こんな短時間で仁を運び出すのはまず不可能だから、きっと会社の何処かに隠したんだよ。…大丈夫、全部終わったら探そう。絶対に見つかるから」
後ろからは愛する人の突っ込みが聞こえてきて、俺は激しく同意する。
「…だって、死体なんてなかったんですよ。部屋を隅々まで探したんですが、あったのはこれと、仁さんがつけていた無線機だけでした」
「はあ!?」
直後、真顔の航海が発する報告を聞いて、俺は大声を上げて口に手を当てた。
「何だそりゃ」
後ろから、琥珀の素っ頓狂な声が聞こえる。
「ど、どういう事?仁は確かに此処で…俺ちゃんと見たもん、仁の顔にジャケット被せたし、…」
困惑し過ぎて、考えていることに言葉が追い付かない。
え?、と頬に手を添えたまま固まった俺の頭に、誰かの手が乗っかった感覚がした。
「大丈夫、大也の言ってる事は正しいよ。…多分、怪盗フェニックスの誰かが仁の遺体を何処かに運んだんだと思う」
俺の鼓膜を揺らすのは、いつだったか、
『おお大也じゃん、今日は何聞きに来たの?…ん、素手で闘う方法?何それー』
怪盗界屈指の情報屋として、怪盗mirageのメンバーとして名を馳せた彼の優しく透き通る声。
「怪盗フェニックスは、臓器売買も平気で行う連中だから…。でも、こんな短時間で仁を運び出すのはまず不可能だから、きっと会社の何処かに隠したんだよ。…大丈夫、全部終わったら探そう。絶対に見つかるから」