「私達だって家族だよ!?法律なんかじゃ説明できないくらいの、大きな絆で結ばれてるじゃん!」


法律では違法なこの関係も、逆手に取ればいい。


法律や憲法は、私達が家族だという事実を認められないくらい劣っていると。


「それから、仁さんは要らないみたいな発言しないで!仁さんは、誰よりも何よりも大也の事を大切に思ってるんだから!」


ネタばらしギリギリの発言だけれど、これならまだセーフだろう。



「壱さ…仁さんと琥珀も!そこもいつまでも喧嘩してないでさ、大の大人なら腹括って仲直りしたらどうなの!?仁さんだって、誰かに言いたい事あるならはっきり言いなよ!反応怖がるとか、仁さんらしくないからね!?」


壱に人格交代したその身体の、奥の奥の暗闇の中。


真っ暗な世界に1人の少女の強い声が響いた気がして、仁は目を開けた。



まだまだ話したい事はたんまりある。


私は、大きく息を吸った。


「航海と銀ちゃんだってそう!2人でコソコソ話し込んで能面みたいな顔するくらいなら、思った事を私達にぶつければいいじゃん!家族でしょう!?」


紫苑が居なくなってから皆の声を聞く余裕が出来た銀河の目が、零れ落ちそうな程大きく見開かれた。