『…何で家族が居るって言ってくれなかったんですか。家族が居るのに、どうして怪盗になろうと思ったんですか』
淡々と話し続ける航海の声は、凍てつく程の冷たさを含んでいた。
『えっ…?ちょっと航海、言ってる意味が』
『リーダーなら僕が言ってる意味くらい分かりますよね?怪盗mirageのほとんどは、家族が居ないんですよ。そういう人達を集めて、一緒に生きようって言ったのは湊さんでしたよね』
ああ、なんて事だ。
渡米してから何度こう思ったか数え切れないけれど、流石に辛すぎる。
仁さんと琥珀が喧嘩したと思ったら大也もそこに加わって、銀ちゃんと航海の様子がおかしいと思ったら、今度は航海と湊さんが言い争いを始めた。
「…笑美ちゃん、この人撃って」
もう何階に居るかも分からないドローンの目の前に出てきた敵を見つめ、私は棒読みで指図する。
「かしこまりました」
笑美ちゃんの声も、感情が含まれていなかった。
『大也さんと仁さんは確かに家族になってますけど、それは養子縁組なので許せます。他の人達は養護園出身だし、許容範囲です』
隣でパソコンの画面を見つめていた銀ちゃんが、大きく息を吐いて眉間を手でつまんだ。
淡々と話し続ける航海の声は、凍てつく程の冷たさを含んでいた。
『えっ…?ちょっと航海、言ってる意味が』
『リーダーなら僕が言ってる意味くらい分かりますよね?怪盗mirageのほとんどは、家族が居ないんですよ。そういう人達を集めて、一緒に生きようって言ったのは湊さんでしたよね』
ああ、なんて事だ。
渡米してから何度こう思ったか数え切れないけれど、流石に辛すぎる。
仁さんと琥珀が喧嘩したと思ったら大也もそこに加わって、銀ちゃんと航海の様子がおかしいと思ったら、今度は航海と湊さんが言い争いを始めた。
「…笑美ちゃん、この人撃って」
もう何階に居るかも分からないドローンの目の前に出てきた敵を見つめ、私は棒読みで指図する。
「かしこまりました」
笑美ちゃんの声も、感情が含まれていなかった。
『大也さんと仁さんは確かに家族になってますけど、それは養子縁組なので許せます。他の人達は養護園出身だし、許容範囲です』
隣でパソコンの画面を見つめていた銀ちゃんが、大きく息を吐いて眉間を手でつまんだ。