「よし!今から県大会に出場するスタメンを発表するぞ!」

 部活を終える頃、時雨先生から今度の夏の県大会に出場するスターティングメンバーが発表されることになった。
 
「まずはセッター、澤井(さわい)」

「はい!」

「リベロ、栗橋(くりはし)」

「はい!」

 次々とスターティングメンバーが発表されていく。

「最後に、真ん中センターを発表する」

 私の名前はまだ呼ばれない。……それもそうだ、私は高校一年の夏、部活中に右のアキレス腱断裂という大怪我をして、部活に参加出来なくなった。
 リハビリをしてようやく部活に参加出来るようになったのも、高校二年になってからだった。

 部活に参加出来なくて、ベンチで応援してるだけの日々は本当に辛くて、泣いてばかりだった。 そんな時、私を励ましてくれたのは、時雨先生だった。
 先生は私に「必ずお前は怪我を治して、スタメンに復帰出来るようになる」そう言っていつも、励ましてくれた。

「真ん中センターは……清宮、お前だ」

「……え?」 

 私が……。私がセンターに?

 だけど時雨先生のその言葉があったから、私はここまで頑張ってこれたんだ。
 だから先生には、本当に感謝しかない。

「苺実! 良かったね!」