だけど男の人の力になんて敵わなくて、ブラウスのボタンを外されてしまう。

「ちょっと黙ってろよ! 今からいい所なんだからさ」

 その人の表情が急に変わっていって、口を紡ぐしかなかった。

「っ……」

「苺実ちゃんは、本当に可愛いね」

 そして男性の左手が、私のスカートの中に入って、私の太ももに触れてきた

「っ……」

 その時ーーー。

「うちの大事な生徒に……何をやってんだてめぇ!!」

「……っ!?」

 その声と共に、その男は私の身体から離れていった。

「し、ぐれ……先生……っ」

 私は涙が止まらなくなって、その場にしゃがみこんでしまった。

「うちの大事な生徒に手を出そうなんて、いい度胸してるな? この後始末、どう付けてくれるんだ?」

「お、俺はただ、苺実ちゃんと話したかっただけだよ!」

「ほお? 話すだけなのに、なんでこんなことをしてるんだ?」

 時雨先生の表情は、すごく怖かった。今まで見たこともない表情になっていた。

「おい、お前。うちの生徒にこんなことをしておいて、ただで済むと思うなよ?」

「ひぃっ……」

「次同じようなことしたら、てめぇのメンタマ引っこ抜くから覚悟しろよ?」

 時雨先生がそう言った瞬間に、その人は時雨先生におびえて逃げて行った。