実はポタちゃんは、妖精の見習いだったらしい。

一人前の妖精になるために、たくさんの恋を叶えて修行を積んでいるところだったみたい。

葵さんはポタちゃんの目的を知っていたけど、人に話すとポタちゃんが消えて無くなっちゃうから、私には言えなかった、と話す。




「ポタちゃんは、どうしてしょっちゅう実家に帰ってるの?」
久しぶりにポタちゃんに会うことができたから、ずっと気になっていたことを聞いてみた。

「実は実家じゃなくて妖精界に戻って、葵くんとましろちゃんの報告をしてたポタ〜」

ポタちゃんから話を詳しく聞くと、恋愛が成就するには、結果だけじゃなくて過程も大切らしい。


私と葵さんが結ばれる過程にはポタちゃんの魔法がかかっていたようだ。

ポタちゃんが道に迷って私に助けを求めたのは私と葵さんを出会わせるための計算だったらしい。
そして、警戒心の強い私が、初めて会った葵さんの家に遊びに行くと言ったところから、葵さんが風邪をひいて寝込んでいた出来事まで、全部ポタちゃんの魔法がかかっていた、とポタちゃんは話す。

けれど、ポタちゃんの魔法がかかって発生していたイベントは、葵さんが風邪をひいて寝込んでいたところまでで、そこから先は何もしていないらしい。

「ボクちんが魔法をかけたのは2人が仲良くなれそうなイベントを作るところまでポタ〜2人の気持ちには魔法をかけられないから、仲良くなれるかどうかは2人次第だったポタ〜ボクちんは、また次の恋愛を叶えてくるポタ〜お世話になりましたポタ〜」


そっか、ポタちゃんはこれからも、たくさんの恋を叶えに行くんだ。
もう会えなくなると思うと寂しい。

しょんぼりした私の顔を見ると
「大丈夫ポタよ〜僕ちんの管轄はこの付近ポタ!だからいつでも会いに来るポタ〜」
とにっこりと笑った。






こうしてポタちゃんのお陰で、葵さんと出会うことができた。
これから大変なこともあるかもしれないけど、この出会いに感謝して葵さんと一緒に乗り越えて行きたいな。





終わり