「え......」

「ん?」

「も、もしかして......(げん)!?」


 (げん)は、私の式神だ


「全部の記憶が無くなったわけではないみたいだね」

「え、私記憶ないの!?」


 なんか結構な怪我を負ったのはなんとなく覚えてるけどな......


「体で覚えてることは、頭も覚えていた感じね」

「あのー、心の声聞かないでくださいよ」

「とりあえず、目が覚めてよかったよ。一年と半年は寝てたよ」

「ぇぇぇぇぇ」

「名前は?」

真駒(まごま)......、じゃなくて、晴里(なりざと) 璃都(りと)

「うん。真駒は、夢の中の話...、みたいな感じだから」


 そのあと、老夫婦の人たちがやってきて、話は中断

 二人は元薬師なのだとかで、血だらけの私を助けてくれた

 忍びにはいろいろと恩があるらしい

 だから、忍びだって一発で分かる服着てたのに助けてくれたんだ

 老夫婦に半ば呆れてしまった......――――