「才蔵くんに、由紀にぃ、帰ろ」


 視線から逃げたいだけだけどね

 由紀にぃはともかく、才蔵くんはそう言った理由に気づいたのだろう


「だって。ほら由紀、帰るよ」

「おい、押すな!」


 そういいながらも、教室を出ていく

 私の周りはイケメンでいっぱいだな~

 のんきにそんなことを考えていると、才蔵くんに声をかけられていることに気づく


「話聞いてた?」

「へ?」

「......今日、由紀たちの家に行くから」

「あ、うん。了解です」


 聞いていなかったのに気付いて、さりげなく教えてくれた