「翔斗さんのこと、どう思う?」
「どう……とは」

 翔斗さんとの会食後から抱えていたモヤモヤを解消すべく、部屋へ紅茶を運んできた成瀬に質問を投げかけていた。

「わたしが結婚する相手として、成瀬はいいと思う?」
「素敵な方だとお見受けいたしましたが」

 見た目や雰囲気は今夜会ってみて、いいなと感じたけれど。性格とか好きな食べ物や趣味等など。好みや考え方が合わなければ、一緒に生活していくには結構きついと思う。

「お食事中、会話も弾んでいらしたようですし。そのような心配は無用かと」
「え、弾んでなんかいなかったわよ。殆ど翔斗さんが話していたし、わたしは適当に相槌を打っていただけで。話した内容さえあんまり覚えてないもの」

 わたしとしては、いつも成瀬と話している時の方が自分をよく見せようと取り繕わなくていいし、なにより一番わたしが自然体でいることができて楽しい。

「真尋様、それは今まで私が真尋様とご一緒している時間が道辻様よりも長いからでしょう。しかし、これから先お二人が時間を共にし色々な出来事などを共有することが増えていけば、道辻様と一緒にいる方が楽しく感じ自然だと思えるようになるはずです」