次の日、智明の仕事が午後からだっていうからモーニングを食べながら少し出かけることにした。

昨日は話し合いの途中で寝落ちしちゃったから、今日も時間取れたらいいんだけど。

「蛍、何食べる?」

「うーん⋯どうしようかな⋯」

「いつものパンケーキじゃないの?」

「最近そういうのっていうより、なんかこう、違うの食べたくて⋯」

「じゃあ、俺と同じトーストセットにする?」

「うん、そうしようかな」

パンケーキも食べたいけど、そういう気分じゃないっていうか。

できればアッサリしたものが食べたい気分なんだよね。

「ご注文お伺いします」

「トーストセット2つで、飲み物はアイスコーヒーと紅茶のストレートで」

「あ、すみません、レモンもらっていいですか?」

「かしこまりました。ご注文は以上でよろしいですか?」

「はい、お願いします」

いつも紅茶はストレートで頼んでいる私がレモンを頼んだから、智明は少し驚いていた。

それにしても、今日は少し肌寒いな。

もっと厚着してくれば良かったかも。

「蛍、これ羽織りな。今日少し寒いな」

「いいよ、智明も寒いでしょ。私は大丈夫だよ」

そう言って断ったのに、智明に半ば強引にカーディガンを羽織らせてもらった。

やっぱり服が1枚増えるだけで、こんなに温かいんだ。