ダナース国に来てから一カ月ほどが過ぎた。
この日、シャルロットは私室でハンカチに刺繍をしていた。
「よし、できた」
シャルロットは今完成したばかりのハンカチを目の前にかざす。幸運を現わす四葉のクローバーと共に、ここダナース国では自由を現わすと言われる白鳥をあしらったデザインだ。
「まあ、シャルロット様。今回の作品もお上手ですね」
ひょっこりと覗き込んできて感嘆の声を上げたのは、シャルロット付きの侍女──ケイシーだ。
ケイシーは侍女をひとりも連れてこなかったシャルロットのためにダナース国が手配してくれた侍女で、三つ編みにした焦げ茶色の髪の毛と少し小さめのお鼻がチャームポイントの、可愛らしい女性だ。年齢はシャルロットと変わらぬ、十九歳だ。
「ふふっ、ありがとう」
褒められて悪い気はせず、シャルロットはケイシーににこりと微笑みかける。
この日、シャルロットは私室でハンカチに刺繍をしていた。
「よし、できた」
シャルロットは今完成したばかりのハンカチを目の前にかざす。幸運を現わす四葉のクローバーと共に、ここダナース国では自由を現わすと言われる白鳥をあしらったデザインだ。
「まあ、シャルロット様。今回の作品もお上手ですね」
ひょっこりと覗き込んできて感嘆の声を上げたのは、シャルロット付きの侍女──ケイシーだ。
ケイシーは侍女をひとりも連れてこなかったシャルロットのためにダナース国が手配してくれた侍女で、三つ編みにした焦げ茶色の髪の毛と少し小さめのお鼻がチャームポイントの、可愛らしい女性だ。年齢はシャルロットと変わらぬ、十九歳だ。
「ふふっ、ありがとう」
褒められて悪い気はせず、シャルロットはケイシーににこりと微笑みかける。