セザールはブラジリエ侯爵家というレスカンテ国当時からの名門貴族家の嫡男であり、ブラジリエ侯爵家はかつてレスカンテ国王の蛮行を諭そうと努力した数少ない家門のひとつだ。
その慧眼をエディロンの父である先代が買ってブラジリエ侯爵を重用し、その息子もまたエディロンを支えている。建国して二十年が経ったとはいえ、かつての圧倒的な特権が失われて不満を抱く貴族も多い。そんな国内貴族達を上手く牽制できているのもブラジリエ侯爵家が支えてくれているお陰だ。
「まあ、うちがほしいのは『エリス国の王女がダナース国の王妃になった』っていう実績だけですから、気に入らなかったら王宮の奥深くにでも置いて、ある程度好きなようにさせておけばいいんじゃないですかね?」
エディロンが気が進まないと思っていることを察したのか、セザールがエディロンにアドバイスを送る。
「ああ、そうだな……」
エディロンは答える。
気に入らなかったらもなにも、最初からそのつもりだ。その王女と必要以上に関わる気はない。
その慧眼をエディロンの父である先代が買ってブラジリエ侯爵を重用し、その息子もまたエディロンを支えている。建国して二十年が経ったとはいえ、かつての圧倒的な特権が失われて不満を抱く貴族も多い。そんな国内貴族達を上手く牽制できているのもブラジリエ侯爵家が支えてくれているお陰だ。
「まあ、うちがほしいのは『エリス国の王女がダナース国の王妃になった』っていう実績だけですから、気に入らなかったら王宮の奥深くにでも置いて、ある程度好きなようにさせておけばいいんじゃないですかね?」
エディロンが気が進まないと思っていることを察したのか、セザールがエディロンにアドバイスを送る。
「ああ、そうだな……」
エディロンは答える。
気に入らなかったらもなにも、最初からそのつもりだ。その王女と必要以上に関わる気はない。