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 戴冠式はそれはそれは素晴らしかった。
 式典の会場では魔法による祝福の花と光が舞い、宝石のちりばめられた王冠を被ったジョセフの後ろには神々しい神竜が寄り添っていた。

「エリス国王、万歳! エリス国に益々の繁栄あれ!」

 どこからともなく祝福の声が上がり、それはすぐに会場全体に大きなうねりを起こす。
 神使の加護を得た国王が誕生するのはおよそ百年ぶり。国民の喜びもひとしおだった。

 シャルロットは精一杯の拍手を贈り、弟の新たな門出を祝福する。

「とてもよい式典だったな」

 式典後の祝賀パーティーで、一息ついたシャルロットと一緒にテラスに出たエディロンが言う。

「ええ、本当に。弟のあんな立派な姿を見る日が来るなんて、思ってもみませんでした」

 シャルロットも先ほどの光景を思い出し、感慨深く頷く。