『ごめんなさい……』
それを聞いたとき、その言葉しか出てこなかった。
『気にしないでよ。ふたり揃って幸せになろうって、約束していただろう?』
ジョセフは屈託なく笑う。
『だけど、あまりにも遠回りが過ぎるから今回だけは少しだけ魔法を使わせてもらったよ。姉さんが望む道に進めるようにって』
『魔法?』
(あ、もしかして)
エディロンとの結婚を父に命じられた日のことを思い出す。シャルロットが修道女になろう頼みに行こうとしていたところを、出かけに呼び止められて上手くいくようにとおまじないをかけられた。
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