「無礼者! お母様を離しなさい! 許さないわよ!」

 わめき散らすリゼット達も次々と謁見室から連れ出された。
 最後に残ったのはエリス国王だ。

「ジョセフ! 一体どういうつもりだ」

 エリス国王は憤慨し、声を荒らげる。

「どういうつもり? そのままですよ。王妃の傀儡でしかない国王など、不要です」

 ジョセフは両口の端を上げて朗らかに微笑むと、エリス国王を見つめた。

「どうですか? 見捨てた女と子供に王位を追放された気分は?」

 エリス国王の目が大きく見開かれた。