エディロンの声ではなかった。彼は部下達に指示を出すために先ほど部屋を出て、ここにいないのだから。シャルロットはきょろきょろと辺りを見回す。
「俺だ。こっちだ」
「こっち?」
くるりと振り返り、そこにいるものを見て目を丸くする。
「え? ガル!?」
それは紛れもなくガルだった。ただ、体が急に成長したような。
ガルは体長十五センチくらいの小さな羽根つきトカゲだったのに、今は五十センチくらいありそうに見える。
「どうして急に成長したの? それに、喋っているわ!」
シャルロットは驚いてガルに問いかける。
「それはお前にかけられていた魔法が解けて、神力の制限が外れたからだ」
「魔法が解けて? 神力って何?」
「神力は神力だ。お前達は魔力とも呼んでいる」
「魔法が解けて、神力の制限が外れた?」
色々と言っていることがよくわからない。ガルが言う『神力』はシャルロットの言う『魔力』のことで、シャルロットのそれは魔法により制限されていた?