「これって……」

 円形の中に三角形と小さな文字が描かれたその紋様に、シャルロットは見覚えがある。ものに魔法の力を与えるときの魔法陣だ。

(嘘でしょう?)

 嫌な予感がした。
 シャルロットは居ても立ってもいられずに寝室を飛び出し、エディロンの部屋から廊下へと繋がるドアを開ける。

「やっぱり……」

 寝ている。護衛をしていたはずの騎士達が、全員眠りこけている。

「これは魔法か?」

 追いかけて来たエディロンに、背後から話しかけられる。

「ええ、間違いなく」