(なんとかしないとっ!)
シャルロットは部屋の中を見回し、唯一武器になりそうな大きな花瓶を手に取る。
「シャルロット、下がっていろ!」
シャルロットの動きに気付いたエディロンが叫ぶのとほぼ同時に、シャルロットはその花瓶を男に向かって投げつけていた。
花瓶を避ける男の剣がこちらへと向く。
(うそっ)
剣先が近づいてくるのがわかった。シャルロットは大きく目を見開く。
(刺される!)
六度目の人生も、やっぱりだめだった。今世では初夜に寝室に乱入してきた暗殺者に殺されるという新たなパターンだ。
目をぎゅっと瞑って痛みに耐えようとしたが、その痛みの代わりに男の悲鳴が聞こえたきた。