ハッとしたシャルロットはまだ閉っているその扉を見つめる。エディロンもその物音に気付いたようで、ベッドの脇に置いてある剣を握る。

 ──カタッ。

 小さな物音と供に、鍵かかかっていたはずの扉が開け放たれる。

「この部屋の鍵をいとも簡単に開けるとはな」

 エディロンが舌打ちする。
 それとほぼ同時に、剣を持った男が乱入してきた。

「エディロン様っ!」

 シャルロットは咄嗟に叫ぶ。

「大丈夫だ」

 エディロンはその剣を自分の剣で受け止める。すぐにふたりは剣の打ち合いになった。

(この人、強いわ!)

 エディロンと互角に打ち合えるなんて、相当の剣の腕だ。

「誰か!」

 シャルロットは助けを呼ぼうと大きな声で叫ぶ。けれど、廊下にいるはずの護衛の騎士達は一向にやってこない。そもそも部屋の前に護衛の騎士がいるはずなのに、ここにこの男が入ってこられた時点でおかしいのだ。