◇ ◇ ◇
ダナース国の王室の結婚式は、教会でひっそりと行われたのちに、大規模な結婚披露パーティー開催される。そこには多くの諸外国の来賓も招待されていた。
「エディロン陛下、シャルロット妃、本日は誠におめでとうございます」
数え切れない祝福の言葉が向けられて、本当に自分は結婚したのだという実感が徐々に湧いてくる。
何人目かわからない来賓客から声をかけられたとき、シャルロットは「あっ」と声を上げる。見覚えのある人物がいたのだ。
「ご結婚おめでとうございます。エディロン陛下、シャルロット王女……これは失礼。シャルロット妃」
そう言ってきたのは、エリス国からの参加者だった。たしかエリス国で魔法庁の大臣をしており、王妃のオハンナの腹心だったと記憶している。名前は……オリアン卿だったはずだ。
年齢は四十歳程度、長身で痩せ型の男性で、青白い肌と対照的な黒髪と黒い瞳のせいかどことなく陰を感じてしまい、シャルロットは一度の目の人生からずっと苦手だった人物だ。
思い返せば、毎回結婚式の来賓にはこの人が来ていたような気がする。
「ありがとう」
エディロンが返す。
ダナース国の王室の結婚式は、教会でひっそりと行われたのちに、大規模な結婚披露パーティー開催される。そこには多くの諸外国の来賓も招待されていた。
「エディロン陛下、シャルロット妃、本日は誠におめでとうございます」
数え切れない祝福の言葉が向けられて、本当に自分は結婚したのだという実感が徐々に湧いてくる。
何人目かわからない来賓客から声をかけられたとき、シャルロットは「あっ」と声を上げる。見覚えのある人物がいたのだ。
「ご結婚おめでとうございます。エディロン陛下、シャルロット王女……これは失礼。シャルロット妃」
そう言ってきたのは、エリス国からの参加者だった。たしかエリス国で魔法庁の大臣をしており、王妃のオハンナの腹心だったと記憶している。名前は……オリアン卿だったはずだ。
年齢は四十歳程度、長身で痩せ型の男性で、青白い肌と対照的な黒髪と黒い瞳のせいかどことなく陰を感じてしまい、シャルロットは一度の目の人生からずっと苦手だった人物だ。
思い返せば、毎回結婚式の来賓にはこの人が来ていたような気がする。
「ありがとう」
エディロンが返す。