(エディロン様、どんな反応をされるかしら?)

 この姿を見せるのは楽しみなような、怖いような。願わくば、綺麗だと思ってほしい。

 ──トン、トン、トン。

 ノックする音がして振り返ると、ちょうどドアが開く。

「準備は整ったか?」

 そこから顔を覗かせたのは、エディロンその人だった。

「陛下!」

 いつもの軍服とは違う黒のフロックコートを着ているエディロンは、息を呑むほど素敵だった。襟や袖口には金糸の刺繍が施され、煌びやかさに目を奪われる。
 一度目の人生でも目にしたはずなのに、まるで初めて見るかのように新鮮さを感じた。

 ほうっと見惚れていると、エディロンはシャルロットの前まで歩み寄り、シャルロットの頭から足先まで視線を移動させる。

(どうかしら……?)

 シャルロットが結婚を渋っていたせいでドレスを一から作る時間がなく、このドレスは出来合いのものを加工したものだ。
 仕立屋の努力の結果、十分華やかではあるものの、一から特注で製作した一度目の人生のドレスに比べると華やかさに欠ける。どんな反応が返ってくるのかと、緊張する。

「とても綺麗だ」