エディロンは頷く。

「ところで、黒幕は確認できたか?」
「予想は付いておりますが、証拠がありません」

 そのとき、ふとセザールがシャルロットへと視線を向けた気がした。

(……何かしら?)

 不思議に思ったけれど、それは一瞬のことでセザールは既にエディロンへと視線を向けている。

「いかがなさいますか? 結婚式が開始する前に急に警備を強化すれば、企みがばれたと気付き作戦は中止になるかと思いますが──」
「ふむ」

 エディロンはどうするべきか、顎に手を当てて思案する。

(作戦が中止に? でも、それってまた別の日にエディロン様が狙われるってことよね?)

 シャルロットは不安になってふたりの顔を見比べる。エディロンもまだ決断しきれないようで、考えている様子だ。

「あのっ!」

 シャルロットは意を決して、口を開く。