「シャルロット」
エディロンがシャルロットの手を取り、こちらを見つめる。
「過去はそうであったかもしれない。だが、今の俺は絶対にあなたを殺したりしないし、誰かに殺させたりもしない。これは信じてほしい」
「…………」
「命に代えてでも、絶対に守ってやる。だから、俺の妃になってほしい」
「……はい。あなたを信じます」
シャルロットが頷くとエディロンは相好を崩し、まるで子供のような笑顔を見せる。
そして、ぎゅっとシャルロットを抱きしめる。その力強さが今はとても心地いい。
エディロンは大きな手をシャルロットの髪を撫でたが、何かに気付いたように手を止めた。
「この髪飾りは母君の形見だと言っていたな? たしか、初めて会ったときも付けていた。懐かしいな」
「初めて会ったとき?」
シャルロットは少し体を離し、エディロンを見る。
「エリス国の社交パーティーで付けていただろう?」
「エリス国の社交パーティー?」