「お嬢様!」
しゃがみ込んで遊んでいた女の子のひとりがシャルロットを見て嬉しそうに声を上げる。パタパタと駆け寄ってきてシャルロットの腰の辺りにぽすんと抱きついてきた。
「お嬢様、遊びに来てくれたの?」
「ええ、そうね。みんなの顔が見たくなって」
シャルロットはにこりと微笑む。
「そうだわ。これ、みんなにお土産なの。手を洗ってから食べましょうね」
「わあ、嬉しい。美味しそうな匂いがするわ」
女の子はほっぺたに両手を当てて、歯を見せて笑う。
シャルロットも釣られたように微笑むと、女の子の手を握って一緒に歩き始めた。
そのときだ。
「きゃー!」
どこからか、大きな声がした。