「わたくしが望む道、か……」
二度目の人生からこれまで、ただ生き残ることだけを目標にしてきた。けれど、一体自分はどんな人生を歩んでみたいと思っているのだろうと考えてみる。
(わたくしは──)
そのとき、遠くから「シャルロット様!」と呼びかける声がした。そちらを見ると、ケイリーが片手を振っている。
「トムス商店より、ご依頼のものが届いたと」
「本当? ありがとう」
トムス商店とは、グランバザール大通りにある高級ステーショナリー用品店の名前だ。シンプルなデザインながらしっかりとした機能のステーショナリーを揃えており、貴族の愛用者もとても多い店でもある。
シャルロットは来週に迫ったエディロンの誕生日プレゼントに、ここの万年筆を選んだ。
万年筆はここ最近急速に流通し始めた。いちいちインクに浸さなくても文字が書けるので文字を書くことが多い人々にとても人気な品だ。
ただ、製作には熟練の職人による繊細な技が必要なので、庶民ではなかなか手にすることが難しい高級品でもある。
色々と考えて、実用的だし、邪魔にもならないからぴったりだと思ったのだ。
「取りに行こうかしら」
「かしこまりました」
ケイリーは笑顔で頷いた。
二度目の人生からこれまで、ただ生き残ることだけを目標にしてきた。けれど、一体自分はどんな人生を歩んでみたいと思っているのだろうと考えてみる。
(わたくしは──)
そのとき、遠くから「シャルロット様!」と呼びかける声がした。そちらを見ると、ケイリーが片手を振っている。
「トムス商店より、ご依頼のものが届いたと」
「本当? ありがとう」
トムス商店とは、グランバザール大通りにある高級ステーショナリー用品店の名前だ。シンプルなデザインながらしっかりとした機能のステーショナリーを揃えており、貴族の愛用者もとても多い店でもある。
シャルロットは来週に迫ったエディロンの誕生日プレゼントに、ここの万年筆を選んだ。
万年筆はここ最近急速に流通し始めた。いちいちインクに浸さなくても文字が書けるので文字を書くことが多い人々にとても人気な品だ。
ただ、製作には熟練の職人による繊細な技が必要なので、庶民ではなかなか手にすることが難しい高級品でもある。
色々と考えて、実用的だし、邪魔にもならないからぴったりだと思ったのだ。
「取りに行こうかしら」
「かしこまりました」
ケイリーは笑顔で頷いた。