シャルロットがカタログの前でうんうんと唸っていたので、ケイシーはシャルロットがエディロンの誕生日プレゼントに悩んでいるのだと思ったようだ。

(あ、そうだわ。誕生日プレゼント……)

 シャルロットはカタログの表紙に手を伸ばす。王室御用達の商店が選んだ一流の品々が挿絵付きで掲載されていた。

「ゆっくりお選びくださいませ」
「ええ、ありがとう」

 ちょっとした小物から馬具、宝飾品まで色々と載っていて目移りしてしまう。

(エディロン様、どれならお喜びになるかしら?)

 どうせなら喜んでほしい。
 熱心に見入っていると、視界の端にカーテンが大きく揺れているのが映った。

「風が強くなってきたかしら?」

 シャルロットは顔を上げ、窓を閉めようと立ち上がる。