(信じられないわ。あんなに素敵な人が、わたくしに求婚?)

 シャルロットは舞い上がりそうになる気持ちを必死に落ち着かせる。

『先方から出来るだけ早く輿入れしてほしいと希望がきている。お前には来月、ダナース国に行ってもらうが、いいな?』
『はい。かしこまりました』

 シャルロットは動揺しつつも国王にお辞儀をする。

『では、話は終わりだ』

 国王が軽く片手を振る。すると、それに合わせたように王妃のオハンナが口を開く。

『シャルロット、おめでとう』
『ありがとうございます、王妃様』