振り返ると、窓の外に灰色の文鳥が停まっているのが見えた。シャルロットの使い魔のハールだ。

「ハール。ジョセフからのお手紙を持っているかしら?」

 シャルロットは目を輝かせて、窓を開ける。

 案の定、ハールの足首には一通の手紙が丸めてくくりつけられていた。
 シャルロットは早速その手紙をハールから外し、中を確認する。

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 姉さんへ

 手紙をありがとう。元気そうで何よりです。
 先日、リロと散歩していたら姉さんが好きなトネムの実がなっているのを見つけたよ。ひとつもぎ取って試しにジャムにしてみたんだけど、意外と美味しく作れたよ。僕のほうは相変わらずあの離宮でのらりくらりと上手くやっているから心配しないで。
 姉さんが今度こそ上手くやれるようにと、いつも応援しているよ。どうか、心から望む道に進んでほしい。
 今世こそは、お互いの幸せが切り開けますように。

 ジョセフ
 
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