「そうだわ。読まないと」
赤い封蝋が施されたこの封筒は、故郷であるエリス国から届いたものだ。シャルロットはペーパーナイフを手に取ると、その封筒の封を切る。中には、王妃様からの手紙が入っていた。
「嫁いだ途端、不思議なものよね」
過去のループで異国の王室に嫁いだ際もそうだったが、シャルロットが先方の国に移り住んだ途端にエリス国の王妃──オハンナから頻繁に手紙が届くようになった。
これまではまるでいないかのような扱いをしてきたくせに、一体どういう風の吹き回しだろうか。
内容はいつも同じだ。『ダナース国王に気に入られるように誠意を持って尽くしなさい』『この結婚が上手くいくことを心から願っている』という二点だけ。今日はこれに加えて『記念祝賀会に参加できず申し訳ない』と書き添えられていた。
シャルロットはその手紙を折りたたむと、元々入っていた封筒へと戻し、サイドボードの引き出しへとしまう。
そのとき、背後からコンコンと音がした。
(何かしら?)
赤い封蝋が施されたこの封筒は、故郷であるエリス国から届いたものだ。シャルロットはペーパーナイフを手に取ると、その封筒の封を切る。中には、王妃様からの手紙が入っていた。
「嫁いだ途端、不思議なものよね」
過去のループで異国の王室に嫁いだ際もそうだったが、シャルロットが先方の国に移り住んだ途端にエリス国の王妃──オハンナから頻繁に手紙が届くようになった。
これまではまるでいないかのような扱いをしてきたくせに、一体どういう風の吹き回しだろうか。
内容はいつも同じだ。『ダナース国王に気に入られるように誠意を持って尽くしなさい』『この結婚が上手くいくことを心から願っている』という二点だけ。今日はこれに加えて『記念祝賀会に参加できず申し訳ない』と書き添えられていた。
シャルロットはその手紙を折りたたむと、元々入っていた封筒へと戻し、サイドボードの引き出しへとしまう。
そのとき、背後からコンコンと音がした。
(何かしら?)