「無茶をする」
「ご迷惑でしたか?」
「いや、俺は助かった。ただ、あなたが心配なだけだ」

 そう言ったエディロンは体を屈める。シャルロットの背中と膝の下に腕を回すと、軽々と抱き上げた。

「陛下!?」

 驚いたシャルロットは慌てて降りようと身を捩る。しかし、エディロンの腕は力強くシャルロットを抱き上げたままだ。

「よく頑張ってくれた。後は大丈夫だから、少し休め。朝から禄に食事も摂っていないだろう。あそこにいると、延々とダンスに誘われるぞ」
「あ……」

 エディロンの言うとおり、今日のシャルロットは朝からずっとこの準備にかかりきりで禄に食事も摂っていなければ、座って休む間も一切なかった。

 それに、この足ではダンスが辛いのも確かだ。