「手を見せてみろ」

 エディロンは一歩シャルロットに近づくと、シャルロットの右手を取る。

「陛下?」

 シャルロットは戸惑って、エディロンに問いかける。エディロンはシャルロットの右手のひらを見て、眉を寄せた。

「やはりな。皮が剥けている。痛いだろう?」
「あ……」

 剣を握るのは久しぶりだった。毎日のように握っていると手のひらの皮が分厚くなって大丈夫なのだが、久しぶりに握ったシャルロットの手のひらの皮は、今の短時間の剣技すら耐えきれずに皮が一部、ペロンと剥けていた。

「大丈夫です。後で手当てします」
「この分だと、足もだろう?」
「…………」

 シャルロットは視線を泳がせる。パーティー用のヒールで剣技を披露するのは、少々無理があった。実は、先ほどからかかととつま先がズキズキと痛む。