「申し訳ありません。私は、ここの警備を担当しておるので外すわけには──」
固い表情のままそう答えるのは、会場警備の女性騎士だ。
そのやり取りを聞いて、すぐに騒ぎの原因気付いた。
(そう言えば、クロム国の王太子殿下は女性騎士がお好みだったわね……)
四度目の人生ではリゼットの同伴をしていたシャルロットを一方的に気に入り、半ば強引に結婚を決めたと記憶している。彼は女性騎士が特にお好きなのだ。
おおかた、会場に女性騎士がいるのを見かけて休憩室にでも行こうと誘い、断られて憤慨しているのだろう。
「来賓をもてなすのも大事な役目だろうが。大体、この俺に──」
唇を引き結びじっと耐える女性騎士に対してなおもアリール王子が捲し立てる。
「所詮は建国して間もない国家だな。こんな礼儀のなってない者、ましてや女に騎士をさせるとは」
アリール王子が最後に口にした言葉を聞き、シャルロットの隣に立ち様子を見守っていたエディロンが前に出ようとした。
(いけないっ)
シャルロットは慌てて片手を伸ばす。
固い表情のままそう答えるのは、会場警備の女性騎士だ。
そのやり取りを聞いて、すぐに騒ぎの原因気付いた。
(そう言えば、クロム国の王太子殿下は女性騎士がお好みだったわね……)
四度目の人生ではリゼットの同伴をしていたシャルロットを一方的に気に入り、半ば強引に結婚を決めたと記憶している。彼は女性騎士が特にお好きなのだ。
おおかた、会場に女性騎士がいるのを見かけて休憩室にでも行こうと誘い、断られて憤慨しているのだろう。
「来賓をもてなすのも大事な役目だろうが。大体、この俺に──」
唇を引き結びじっと耐える女性騎士に対してなおもアリール王子が捲し立てる。
「所詮は建国して間もない国家だな。こんな礼儀のなってない者、ましてや女に騎士をさせるとは」
アリール王子が最後に口にした言葉を聞き、シャルロットの隣に立ち様子を見守っていたエディロンが前に出ようとした。
(いけないっ)
シャルロットは慌てて片手を伸ばす。