エディロンはその羽根つきトカゲのほうに近付く。羽根つきトカゲは銀色の目でまっすぐにエディロンを見返してきた。

(この生き物……)

「エリス国では羽根つきトカゲがよくいるのか?」
「さあ、どうでしょう? わたくしは二匹飼っておりました。一匹は弟の下に今もいます」
「そうか。昔、エリス国の王宮に行った際にこの生き物を見た」
「わたくしもこの子は王宮の中で見つけました。もしかしたら、同じ子かもしれませんね。ガルという名前です」

 シャルロットは楽しげに笑うと立ち上がり、エディロンの下に歩み寄る。その格好は、足下まですっぽりと外套に包まれていた。

「ところでシャルロット……。こんな時間からどこかに出かけるのか?」

 エディロンはここに来たときからずっと気になっていた疑問を、シャルロットに投げかける。
 外出を制限するつもりはないが、夜間に出歩くのは治安のよい王都でも危険があるのでさすがにどうかと思う。