『少々姫君をお借りするよ、侍女殿』

 にこりと笑いかけられ、シャルロットは呆気にとられて固まる。その反応に、リゼットはフッと小さく笑った。

『少々行って参ります、お姉様』
『え? 姉君様でしたか。これは失礼しました』

 リゼットの言葉に、目の前のコニー王子は慌てた様子だ。シャルロットは小首を傾げ、小さく微笑む。

『いいえ、お気になさらず。楽しんでいらして』

 遅ればせながらシャルロットにも挨拶をしようとしたコニー王子に軽く手を振ると、すすっと広間の端に寄った。

(わたくし、侍女だと思われていたのね)

 自分としてはとても素敵な格好をさせてもらったつもりでいたので、ショックが大きい。