「髪飾りはどうされますか?」
「えっと、ドレッサーの上に置かれた金細工のものを」
「かしこまりました」

 ケイシーは小さく頷くと、ドレッサーに置かれていたシャルロットの宝物へと手を伸ばす。

「シャルロット様は本当にこちらがお気に入りなのですね」
「ええ。母の形見なの」
「そうなのですか。素敵ですわ」

 ケイシーは微笑むと、それをシャルロットの髪に付ける。蕾だけの地味なデザインの髪飾りだけれど、なんだか印象が明るくなった気がした。