今日もいつもの練習メニューでいつものメンバーで練習をする。
だけど、いつもと違うことがある。
『いない…かあ。』
休憩の合間に、友ダチと喋りながら目は昨日の子を探している。
結局、今日は来なかった。
明日は来るのか…
何だろう、この気持ちは。
また逢えるのか…
もう逢えないのか…
気になる。
キミの事で頭の中がいっぱいです。
昨日、美仔に相談してスッキリした。
ありがとう、美仔!
今日も授業が無事に終わった。
『美仔ぉ「わかった!」まだ言い終わってないのに…』
拗ねながら、美仔といつもの場所へ。
今日も、たくさんの女の子がいる…
ミンナ可愛いなぁ
やっぱり叶わない恋だ!
片想い上等で頑張ろう。
「志帆!こっちこっち」
美仔が呼ぶ方を見ると、池澤先輩がいた。
試合中で丁度シュートを決めるところだった。
『ヤバい!カッコィィ!』
ムービーに残したくなるほど、カッコよかった先輩。
はしゃぎすぎて、美仔に怒られた…
反省しながら、先輩を見るとコッチを見ながら笑っていた。
恥ずかしくて、下を向いた。
幸せだと思った。
今の、この瞬間が。
もう、目が合うこともないだろうと思ってたから。
「志帆ぉー!顔が真っ赤っ」
美仔は私の反応を見ながら笑ってる!
先輩は…
あれ?なんだろう…
何か、悩んでるような顔してる。
先輩の事、スキだから少しの変化でも分かる。
今日は来るかな?あの子…
試合の時、あと少しで終了ってところでシュートが決まって、俺はメンバーと喜んだ。
そして、ふとドアの方を見たらあの子がいた。
何かしらないけど、キミは一緒にいる友ダチに怒られていて反省してるのかシュンとしていた。
何か…イタズラして怒られている子どもみたいな感じで、可愛いくって笑ってしまった。
その時、キミと目があった。
目があった瞬間…キミは目をそらした。
ちょっとショック。
この気持ちが恋だということに気づいた。
この恋は叶うのかな?
そう思うのと同時に、あの時のキミの涙を思い出した。
今はあんなに笑ってるから、あの場所を貸した事が少し役にたてたのかな。
あれから美仔は用事があると言って先に家に帰った。
私は、桜の木の下に行ってみる。
目を閉じれば、
さっきの先輩の悲しそうな目が頭から離れない。
空を見上げたら雲一つない青空。
居心地がよくって、暖かくって…いつの間にか寝てしまった。
夢に先輩が出てきたけど…先輩はやっぱり、どこか悲しいような目をしている。
どうして?
手を伸ばしてみる。
もう少しで先輩に手が届く。というときに夢から目が覚めた
もう外は、すっかり暗くなっていて…私は、荷物をもち学校を出た。
明日も先輩に逢えるかな?
ここ数日間で、先輩との距離が少しずつ近くなってきてるような気がした。
でも、それは私の片想いで…
それ以上を求める事なんてできなかった。
あれから何日たっただろう。
私は、あの日から部活を見に行く事をやめた。
行くたびに先輩の存在が大きくなって…今以上を求めてしまう
そんな自分が嫌になるから…
行かないことにした。
あの日の事が夢のように感じる。
前みたいに目でおってるだけの片想いに戻った。
これでいいんだと、自分に言い聞かせる。
最近また、悪い癖が出始めた
“こんなに辛いなら好きになんてならなければよかった。”
頭の中で繰り返される。
『はぁ…』
自分が嫌になりため息が出てしまう。
「志帆ぉー、ため息…これで27回目だよ!?」
美仔が笑いながら言ってくる。
美仔は気づいてるんだろうな…バスケ部も最近見に行かないし。
『ごめん、ごめん。』
笑いながら謝った。
ちゃんと笑えてるかな?
「志帆、…無理に笑わなくていいよ。」
笑えてなかったんだ…
ごめんね美仔。
何か疲れたよ…
『…。』
何も言えず下を向いた。
「志帆、もっと私を頼ってよ…」
まただ。
迷惑をかけたくなくて…自分で解決しようとしてるんだけど。
逆に迷惑をかけてる?
ごめんね…美仔。
『美仔…私、もう疲れたよ。どうすればいいのかが分からない。先輩を見たら気持ちをおさえきれなくなる…』
今の気持ちを美仔に伝えた。
「前も言ったでしょ?それは志帆だけが思うことじゃない。恋してたら誰だって…私だってそうなるよ?無理に気持ちをおさえなくてぃぃんだよ。」
気持ちをおさえなくてぃぃ。
このコトバを聞いて少し楽になった。
『こんなに辛いなら…好きになんてならなければよかった。』
いつも頭の中で繰り返されるコトバも口に出して言ってみると、涙が一緒に流れてくる。
「逃げてたら…進まないよ。」
美仔のコトバ一つ一つに重みがあり、優しさがある。
『そうだね…ありがとう美仔。』
最近…
美仔に助けられてばかりだな…。
逃げないで…進まないと。
ありがとう美仔。
美仔のおかげで、
前に進めそうな気がする。
美仔からもらった勇気。
『美仔、今日の放課後つきあっつくれる?』
「しょうがないなー」
二人で笑いあった。
こんなに笑ったのは
何日ぶりだろう…
全部、美仔のおかげだね。
ありがとう!
「お腹すいたー」
あっ、今昼休みだった…
『あっ、ごめん…食堂行こうか?』
「うん!」
話をしていて、ご飯を食べるのを忘れてた…
お腹すいたーって、ずっと言ってる美仔を連れて食堂に行った。
『はい、着いたよー。美仔は何食べる?』
「私は…Aランチにしよ。」
『じゃあ、私も!』
お昼ご飯を手にもって、席を確保しに行く。
『あ…』
先輩がいた。
「よし!行くよっ」
美仔に引っ張られて先輩のいる机に…
「あのー、この席ぃぃですか?」
「いいよ。な?池澤。」
「…あっ、うん。」
池澤先輩と先輩の友ダチ?みたいな人に許可をとった美仔。
凄すぎる…
ってか、ヤバいよー
緊張だぁー。
緊張してる私は、なかなかお箸が進まない。
「ねぇ、キミ達何年?」
先輩の友ダチが聞いてきた。
「二年の井上美仔です。」
『二年の北山志帆です。』
美仔に続けて自己紹介をした。池澤先輩は何も言わない。
「二年なんだぁ。俺は斎藤宏樹。で、こいつが池澤翼。」
先輩は何も言わずご飯を食べてる。
やっぱり、ここで食べない方がよかったかな?
ちょっと悲しい。
それに気づいた美仔。
「あのー!先輩方は、バスケ部ですよね?」
美仔が積極的に会話を続ける。
「そうだよー。キミ達は前よくドアの所にいただろ?知ってたよ。なぁ?池澤。」
「…うん。」
驚いた。
あんなにたくさんいる女子の中の一人なのに覚えてくれてたコトが。
「最近、いないよね?どうして?」
斎藤先輩に聞かれて、
何て返せばぃぃか分からなかった。
「ミニテストの補修で行けなかったんです。」
美仔が代わりに言ってくれた。
ちょっと無理がある言い訳だけど、助かったよ。
ありがとう。
「そーなんだ。二人ともが来なくなってから、コイツがそわそわしてたんだよ。」
斎藤先輩は池澤先輩を見ながら言った。
信じられなかった。
私たちがバスケ部を見に行かなくても、先輩は気づかないと思ってたし…気づいても先輩には関係ないだろうと思ってたから。
「おい。斎藤!余計なことを言うよ。」
あっ。喋った…
先輩がこんなに近くで喋っていることが夢に思える。
「今、コイツが言ったこと気にしないで。」
池澤先輩に喋りかけられて、固まってしまった。
「先輩方、仲ぃぃですね。」
美仔が、ふざけあってる池澤先輩達に向かって言った。
それから池澤先輩も喋るようになって、仲良くなれた。