お姉ちゃんと相馬君が振り向く。

「言い返すのかい?」

冷たいまなざしを向けたまま相馬君が言う。

「たしかに俺の兄貴は紗和とあなたの彼女の兄弟を殺している。
だけど、そのことであなたたちにもめてほしくない!!」

拓徒は人のことを第一に考えている。

「相馬君、音ねぇ、もういいよ。2人は帰って。」

お姉ちゃんに言った。

「わかったよ。拓徒くん、お大事に。」

相馬くんは拓徒をにらみながら出て行った。


「ごめんな、俺のせいで」

拓徒はしゅんとなって言った。

「拓徒、そんなに自分を責めないで」