そう聞くと、蔵間さんは「ああ、俺がだ」と答える。

「……だから蔵間さんは、命を狙われてるんですか?」

 狙ってるのは……そのもう一人の犯人?

「恐らくな。 その理由は俺が犯人たちの邪魔をしたから、だろうな」

「……そんな」

 蔵間さんはそれが原因で、命を狙われてるってこと?

「犯人が事件を起こした理由は、復讐のためだったんだよ。犯人は復讐するために、それだけのためにあの謎解きゲームのイベントを開催した。そこで犯人は、あの事件を起こした」

「じゃあ蔵間さんは……その犯人に恨まれてるってことですか?」

 蔵間さんの話からすると、そういうふうにしか聞こえない。

「多分、そうなんだろうな」

「多分、って……」

 もしその犯人が、このパーティー会場にいたとしたら……。確実に蔵間さんは狙われる。

「……多分俺を狙ってるのは、そいつで間違いないとは思う。 俺もあの事件の時は、探偵だということは名乗らずにそのゲームに参加していた。それで事件の謎を解いたことで、探偵だと知られてしまっている。……だとしたら俺のことを調べることなんて、容易いことだろうしな」

 蔵間さんの言葉は淡々としているし、恐怖に怯えている様子もない。