と、まぁこのような経緯を経て。

私はこれより、アンドロイド生初の、料理というものに挑戦してみようと思います。

では、まず何を作りましょうか。

やはり初心者なのですから、簡単なものを選ぶべきですね。

簡単に作れて…かつ、この本に乗っているレシピで…。

…と言われても、私は料理を作ったこともありませんし、何なら食べることも、最近始めたばかりですし。

何が簡単な料理なのか、よく分かりませんね。

それにこの本は、『猿でも分かる!初心者の料理』です。

この本に載っているレシピなら、どれも簡単なはずです。

なら、どれを選んでも同じですね。

では、簡単に決めるとしましょう。

「えい」

と、私は言いました。

適当に開いたページに載っていたレシピを選ぶ。

これぞ、人間が何かを適当に選ぶときの常套手段です。

そこで、選ばれたレシピは。











「…えぇと、これどうしたの?瑠璃華(るりか)ちゃん…」

「作りました。私の、アンドロイド生初の手作り料理です」

「そ、そっか…。えぇと…これ、何?」

「お茶漬けですね」

「お…お茶漬けか…そっか…」

私の創造主である、第4局局長、久露花(くろばな)局長は。

お茶漬けのお椀を前に、箸を持って固まっていました。