そこで。

「…よし」

と、私は呟きました。

そして、すっくと立ち上がり。

自室のクローゼットの中から、迷彩服を取り出しました。

何でも、備えがあれば憂いはありませんね。

先人の知恵は優秀です。

私は、その迷彩服に身を包み。

必要な道具を詰めた鞄を、腰に巻き付け。

迷彩模様の長靴を履き。

日が完全に落ちるのを待って、私は家を出ました。

向かう先は決まっています。

奏さんの住む、児童養護施設です。

待っていてください、奏さん。

私は、例えあなたが望まなくとも、必ずあなたを救ってみせますから。

「では、行きましょう」

と、私は言いました。

そして、夜の闇の中に走り出しました。