バレンタインが、まだ一ヶ月も先であることは理解しています。

しかし、私は行動せずにはいられませんでした。

このままでは、琥珀さんに…遅れを取ったような。

負けてしまったような、そんな気がするからです。

私は特別、負けず嫌いな性格ではなかったはずですが。

しかし、今回の件については…。

…何故か、琥珀さんに遅れを取りたくはありませんでした。

…そこで。

私は、その日の放課後。

久露花局長に連絡して、あるものを取り寄せてもらいました。

このときほど、久露花局長がチョコレートに造詣が深いことを、感謝した日はありませんでした。

何事でも、どんなことでも。

何かを極めておけば、いつか何かのきっかけで、役に立つものですね。

それを実感しました。