すると。

『瑠璃華ちゃんも、奏君にバレンタインチョコをあげると良いよ！』

「はい、そうですね」

と、私は条件反射のように答えました。

が。

奏さんに、チョコレートをあげる？

って、言いましたよね、久露花局長。

それは、考えてもみませんでした。

『チョコをもらったら、皆幸せになるからね！バレンタインは楽しいよ〜！』

と、久露花局長はわくわくしながら言いました。

『奏君も、チョコレートもらったら、きっと喜ぶよ！』

「…はい、そうですね」

と、私は答えました。

奏さんに、バレンタインのチョコレートですか。

それは、良い試みかもしれません。

巷では、友チョコ、なるものが流行っているそうですし。

奏さんも、喜んでくれるでしょうか。

『今年のトレンドは、ズバリ、フォンダンショコラだね！』

「はい、そうですね」

『いつ食べてもフォンダンショコラは美味しいけど、バレンタインの時期だと、ますます美味しいよ！』

「はい、そうですね」

『今度瑠璃華ちゃんにも送るからね！楽しみにしててね！』

「はい、そうですね」

と、私は繰り返しました。

バレンタインに、フォンダンショコラですか。

これは、良い情報を手に入れたかもしれません。