こうして、私の不登校明けのこの日、同時に琥珀さんも星屑学園に編入学してきて。

確かにこの日、クラスメイトのみならず。

校内の生徒達は、琥珀さんのお話に夢中でした。

やれ、「中等部に転入生が来たらしいよ」とか。

やれ、「知ってる。凄い美人らしいじゃん」とか。

やれ、「マジか。彼氏とかいるのかなー」とか。

私が編入学してきたも、こんな風に噂になっていたのでしょうか?

なっていないのだとしたら、何だか、何かに敗北したような気分になりますが。

私は琥珀さんと違って、燃える闘争心はありませんので。

そもそも私には、心がないので。

そのような、琥珀さんに関する噂を聞いても、特に気になりません。

奏さんも、朝は琥珀さんの噂について、少し話していましたが。

それ以降は、特に興味がないと言わんばかり。

昼休みにチョコレートの箱を開けて、高級チョコレートを一粒摘み、その美味しさに仰天し。

「局長さんに、ありがとうって伝えておいて」と言っていました。

分かりました。伝えておきます。

周囲が琥珀さんの噂で、夢中になっているときでも。

私と奏さんは、いつもと変わらない、平和な学生生活を過ごしていました…。








…が、それは、その日の放課後を迎えるまでのことでした。