私の友人が住んでいるのは、市内にある、とある児童養護施設です。

ここに、彼は住んでいます。

施設に入り、中にいた職員を捕まえ。

彼の名前を告げると、驚いた顔のその職員が彼を呼びに行ってくれました。

何故驚いたのかは分かりませんが、呼びに行ってくれたので、感謝しています。

そして、およそ五分足らずで、彼はやって来ました。

こちらもまた驚いた様子で、車椅子を急いで押して、私の前に現れました。

「瑠璃華さん…!」

「こんにちは。奏さん」

こちらが、私立星屑学園に通う私のクラスメイトにして、唯一の友人。

緋村奏さん、その人です。

「こんにちは、奏さん。いきなり訪ねてきて済みません」

「あ、いや…」

「ご迷惑でしたか?」

「ううん、そんなことないよ」

と、奏さんは言いました。

それは良かったです。

「でも、どうしたの?いきなり…」

「はい。実は、奏さんに見て頂きたいもの、そして試してもらいたいことがありまして…」

「え、な、何…?」

と、奏さんは言いました。

そんなに身構えなくても大丈夫だと思うのですが。

「大丈夫です。すぐ終わりますから」

「な、何が終わるの?俺の命か何か?」

「物騒ですね、奏さん。心が荒んでるんですか?」

「…いや…」

と、奏さんは言いました。

そして目を逸らしました。

何故かは分かりません。

でも、百聞は一見にしかずと言いますし。

やはり、実際に見て…そして、食べてもらえば分かることです。