「しょうがね〜な。おーい遥斗!」

大君が教室に向かって声を出した。

「遥斗?もしかして!」

チカが何か思い出したように言った。

「そぅ。そのまさか。」

二人は顔を合わせて笑った。誰なんだろう。

「ねぇ。チカ、遥斗って誰?」

気になったので、チカに聞いてみた。

「そっか!莢は知らないもんね。あっ!遥斗来た。」

おーい。私の話しは無視ですか…。

「何だよ。大」

この人身長高いなぁ。185㎝ぐらいかなぁ。
そう思いながら見てたら、こっちを見た。

「あんた誰?」

急に話しをかけられてびっくりして声が出なかった。

「ぇっと…」

なんて答えたらいいか分からない私にチカが代わりに紹介してくれた。

「遥斗!そんなに睨まないの。莢が怖がってんじゃん!!」

「莢?」

私の名前を言って顔を見た。

「そう。私の友達の莢。仲良くしてよね!」

チカが紹介してくれた。ちゃんと挨拶したほうがいいよね…。

「はじめまして。森元莢です。」

頭を下げて挨拶した。

「どぅも。」

えっ…それだけですか?。あまりにも素っ気ない彼に、目が点になりそうになった。

「おぃ!遥斗、ちゃんと挨拶しろよ。ごめんね莢ちゃん。」

代わりに大君が謝った。

「ううん。全然大丈夫。」

手を横に振りながら言った。

「莢ちゃん優しい〜。感謝せろよな遥斗!」

ありがとうも言わず遥斗は話し出した。

「でっ。話って何?」

チカが、さっき大君に話したことをもう一度話した。