「りつ君は私の事全然分かってないよ」


僕のシャツを掴みながら、涙を流す彼女



「ど、どういうこ、と?」



「り、りつ君、ゆあね、ずっと前からりつ君のこと好きだよ」



「へ?」


突然のことに驚く



落ち着け



ゆあのは、恋愛的な意味じゃないんだ



「ゆあは、幼なじみとして僕のことが好きなんだよね?」



「ち、ちがうよ。りつ君全然分かってくれな、い。付き合いたいの好きだよ」


大きな目にいっぱいの涙を溜めて、僕を見上げる



「ゆ、め?」


こんなこと…



「夢なんて言わないで、ゆあも小さい頃からりつ君のこと好きなの」



「ゆあも?、、、っ」


頷く彼女


本当なんだと、夢じゃないと確かめるように


僕はゆあを強く、強く抱きしめる



「りつくん、ちょっと痛いよ」



「ごめん…嬉しくて、本当なんだよな?」


嬉しそうに、頷き僕を見つめる彼女の涙を制服の袖で拭う




「あぁ、僕しあわせだ」