思えばずっと前から、こんな風に熱い眼差しを向けられていた気がする。

きっと、私が父のことを乗り越えるのを待っていてくれたんだ。

自身にきたカースタントのオファーを蹴ってまで、私の心が整うのを見守ってくれていた。

きつく抱き締められ、私も彼の背中に腕を回す。

初対面で庇ってくれた時に見た、広く頼もしい背中。

「これからも、ずっとお前を守るから」
「はい」

やっぱり、彼はヒーローだ。






end