「.......そ、そん時は俺が絶対つかまえて離しませんから!」

「ふふっ、それは楽しみだねぇ」


そう言って美桜先輩が笑うと、さらに光は弾けた。



残り、1ヶ月。

たった30日。

“また”先輩に会えるまであと1年。



「.......先輩、せっかくだから卒業までにどっか遊びに行きませんか?」

「あれ、受験勉強しなくていいの?」

「3年になったらやりますよ。俺まだ2年だし、先輩の後輩ですから」

「それもそっか。.......じゃあ、1回くらいなら行ってもいいよ。」



届いてないわけじゃなかった。

先輩が卒業する前に、1回だけでも素直になってみてよかったな、と思った。