「.......そっ、か。そうなんだ。」


顔は見てないけど、なんとなく分かる。

多分先輩も、今俺と同じくらい真っ赤だ。


「.......美桜先輩。俺、碧南受けます。」

「え、でも七瀬勉強苦手なんじゃ.......」

「それでも必死に勉強して頑張ります。先輩の隣に立てるなら、俺なんだってできる気がするから。」


次第にオレンジ色に染まり始めた空。

やっと顔の熱さが落ち着いてきて、恐る恐る先輩の方を向いた。

綺麗な横顔が夕日の光に照らされて、いつもよりずっとキラキラして見える。


「.......すごいね、七瀬。.......ちなみに私はずっと七瀬のことかっこいいと思ってるよ。」

「あ、そうなんです、ね。.......?.......っ、は!!?」

「だからさ、待ってる。あんまり遅いとどっか行っちゃうかもしれないけど」


.......幻覚だろうか。まるで光が弾けているみたいだ。

眩しくて、思わず目を細めた。

しばらくして俺の方へ目を向けた先輩の瞳も、同じように光が弾けて輝いている。